相続放棄をしても、結局、次の者が見つかるまでは維持管理する必要があるのです。

こんにちは滋賀県大津市＠土地家屋調査士の竹内です。

相続放棄をしても、結局、次の者が見つかるまでは維持管理する必要があるのです。

少子高齢化が進む中、土地建物の管理を誰がするのか？
高齢の両親亡き後の、財産相続はしたほうがいいのか？悪いのか？

大都市で、資産価値の高い土地や建物でしたら買い手がすぐにつくこともあり相続をためらうことはないが、田舎になると買い手がつくことはまず考えられず、毎年の維持管理費用、高額な固定資産税を永久に払っていかなければならないのかと思うと、100万のプラス財産程度では相続放棄してしまったほうが特になるのではないか？

そう思う人が殆どではないでしょうか。
空き家問題は、手間、費用ともに割に合わないことを押し付けられた相続人すべての悩みだと思うのです。

そして、悩んだ挙句、相続放棄の手続きを何とか終えたとしても、完全にその不動産（負動産）は元相続人から離れてはいないことには驚きを隠せません。
殆どの人は、知らないか？国が意図的に知らせようとしていないか？だと思いますが。

民法では、相続放棄をした相続人の相続財産の管理責任を、次の管理者が見つかるまでと定めています。


『相続人は、その固有財産におけるのと同一の注意をもって、相続財産を管理しなければならない。ただし、相続の承認又は放棄をしたときは、この限りでない。（民法第918条）』


一見すると、相続の放棄をした場合には、相続財産の管理責任も放棄できたと思ます。

しかし、別の法では、


『相続の放棄をした者は、その放棄によって相続人となった者が相続財産の管理を始めることができるまで、自己の財産におけるのと同一の注意をもって、その財産の管理を継続しなければならない。（民法第940条）』

とも記載されているのです。もうここまでくると、法の詐欺みたいに思えてきます。

結局は、いくら相続放棄したとしても、次にその放棄した財産を引き受ける者が見つかるまでは、当たり障りなく管理してくださいと云っているのです。
その、不動産を使用収益できないにもかかわらずにです。全くの矛盾ですよね。

老朽化した不動産（負動産）家屋の撤去を求められるのが嫌だという場合は、相続財産管理人（司法書士等）を選任して、完全に元相続人から手を切る方法もありますが、この相続財産管理人を選任するにも何十万からの費用が掛かるので八方ふさがりです。

放置され、老朽化した空き家

ですので、相続放棄をした場合でも司法書士等に相談したほうがベストと思いますよ。
後々、厄介な問題を抱えたくなければですが。

今の世の中、何一つとっても、知っていたら得、知らなかったら損をします。
それも、早く知ったほうがよりお得ということになっています。

ですので、相続放棄をと考えられたら、まずは司法書士に助言を求めるのがお得なのです。


竹内土地家屋調査士事務所では相続のプロである司法書士と連携して不動産の登記を行っております。
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