お隣の所有者が不明でも、土地の境界を決める（境界確定ができます。）ことができます。

こんにちは滋賀県大津市＠土地家屋調査士の竹内です。

お隣の所有者が不明でも、土地の境界を決める（境界確定ができます。）ことができます。

その方法は、家庭裁判所に不在者財産管理人の選任を申し立てれば、お隣さん（不在者）の代わりに家庭裁判所が代理人を立てることでお隣さん（不在者）の代わりになるという制度です。

その不在者の定義とは、

根拠従来の住所や居所を去って容易に帰来（戻ってくること）する見込みのない者を不在者というが、その不在者が従前の住所や居所における財産を管理する者を定めていない場合には、利害関係人又は検察官の申立てにより、不在者の財産管理のために必要な処分をすることができ（民法第25条第1項）、その必要な処分の1つとして、当該不在者の財産を管理する者（不在者財産管理人）を選任することができる。と云うことです。


では誰が申立てをすることができるか？

不在者財産管理人選任申立てをなし得る「申立権者」としては、民法では利害関係人又は検察官とされているが、
「所有者不明土地につき、その適切な管理のため特に必要があると認めるとき」には、
国の行政機関の長又は地方公共団体の長も申立権者となる（所有者不明土地の利用の円滑化等に関する特別措置法（平成30年法律第49号）第38条）。
問題は、利害関係人の意義であるが、一般的には、「不在者の推定相続人、配偶者、債権者など不在者の財産の管理・保全につき法律上の利害関係を有する者」を言い、
事実上の利害関係では足りないと解されている。
利害関係人の具体的な例としては、次のような者が考えられる。

ア不在者と共に「共同相続人」となっている者
イ不在者の債権者、担保権者
ウ不在者の不動産を時効取得した者
エ生命保険契約の解約や満期保険金を不在者に代わって受け取って管理することを目的とする者
オ隣地所有者で不在者所有地との境界確定を求める者
カ不在者の財産を買収しようとする国や地方公共団体など
キ不在者の債務者市区町村が賦課権限を有する固定資産税等の滞納がある場合には、容易に利害関係を認め得るが、一般市民からの通報により「不審者が出入りすると困る」とか「不審火が発生したら困る」あるいは「誰も居住していないので気持ち悪い」という程度の一般的抽象的な理由だけでは、利害関係は認められない

土地の境界確定としては、上記のオが該当するので不在者財産管理人制度を使用することができるのです。

では、その方法は？

①不在者財産管理人の申立書（司法書士等が作成するものですが、ひな形があり、本人申請もできます。）を作成し、家庭裁判所に提出する。



②家庭裁判所から不在者財産管理人を選任（通常：司法書士等が選ばれます）した場合に発生する費用を仮に納めるよう通知（予納金という。金額は地域により異なりますが30万から50万ぐらいと思われます。
正確な金額は家庭裁判所で確認してください。）が来ますので、その費用を家庭裁判所に納めます。不在者財産管理人に支払った後の、残金は申立人に返金されます。

③家庭裁判所で不在者が本当に不明なのか？金融機関、関係省庁に問い合わせを行う。
もし、この時点で見つかれば、見つかったお隣さんに立ち合いをお願いすることができ、申立書は取り下げます。

④不在者の調査が進み、本当に見つからなければ司法書士等がお隣さんの代わりとして、境界の立ち合いに来てもらうことになり、境界が確定した後、予納金から報酬等が支払われ、残金が返金されることとなります。

このように、隣接所有者が不明な場合でも、本気であれば境界の確定を行うことができるのです。


竹内土地家屋調査士事務所では土地の現況測量から境界確定を行っております。

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